白内障とは
私たち人間の目はよくカメラに例えられます。
カメラにおけるレンズの役割を果たしているのが「水晶体」という部分で、正常な水晶体は透明で光をよく通します。しかし、加齢や外傷、他の疾患の合併症などさまざまな原因で水晶体の中身のたんぱく質が変性し濁ってくると、光がきれいに通らなくなったり、光が乱反射してしまい、網膜に鮮明な像を映し出すことができなくなってしまいます。
このように水晶体の透明度が失われ、白く濁ってしまった状態を『白内障』といいます。
- 正常
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水晶体は透明で、光をよく通す
- 白内障
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水晶体が濁ってくると、光がよく通らない
白内障の症状
水晶体の濁り方は患者様一人ひとり異なっており、その症状もさまざまです。
以下のようなものが主な症状として現れます。白内障のみでは痛みや充血はなく、さらに少しずつ進行していくことが多いため、自分自身では症状に気がつかないことも少なくありません。少しでも見え方が少しおかしいと感じたときには、早めに眼科を受診して検査を受けてみることをおすすめします。
- 目がかすむ、ぼやけて見える
- 二重、三重に見える
- 明るい場所でまぶしい
- 対向車のヘッドライトがまぶしい
- メガネが合わなくなる
見え方による違い
白内障の手術をご提案する基準
- 視力が低下して、日常生活にに支障がある
- 矯正視力が0.7以下となり、運転免許が更新できない
- メガネを合わせても見えにくい
- 白内障のため、眼の奥の状態が観察しにくくなった場合
- 高度な近視や遠視の場合
- 急性緑内障発作を起こしそうな場合
白内障手術について
白内障の手術では、白く濁ってしまった水晶体を超音波で砕いて取り出し、その代わりに、人工の水晶体である眼内レンズを挿入します。かつては眼内レンズを挿入するために大きな切開が必要でしたが、技術の発展でレンズを折りたたんだ状態で挿入できるようになったことから90年代以降は3mm以下の小さな切開での手術が可能になり、日帰り手術が広まりました。
可能な限り後遺症を残さず、術後の視力を最大限に引き出すためには高度な手術の技術と高品質な設備・器具が欠かせません。
太宰府吉富眼科では28,000例以上の手術実績を持つ院長自らが手術を担当いたします。手術直後だけでなく、長期間にわたって使用することを想定し、単焦点眼内レンズ・多焦点眼内レンズそれぞれのメリット・デメリットをご説明した上で選定します。患者様の人生に配慮した日帰り手術を実施しています。
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切開します
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にごった水晶体を砕いて吸い出します
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眼内レンズを挿入します
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痛みを感じることはほとんどなく、手術時間は10分程度です。
麻酔は点眼や目の周辺への注射で行う局所麻酔です。
手術中も意識はありますので、医師・スタッフの話も聞こえますし、会話も可能です。 - 通常、片眼ずつの手術となります。
白内障手術の流れ
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術前検査・ご説明
手術日の約2週間前手術予定日の約2週間前に一度ご来院いただき、手術前の検査や手術に関するご説明を行います。
できるだけご家族の方と一緒にお越しください。
また、目薬dを使用して瞳を大きな状態にして水晶体の状態を詳しく調べる散瞳検査を実施しますので、車でのご来院はお控えください。- 術前検査(手術が問題なく行えるかどうかの検査、眼内レンズの種類や度数を決めるための検査 等)
- 手術に関するご説明(手術前後の流れ、手術方法、リスク、手術後の注意点や見え方について 等)
- 術後の保護メガネのサイズ合わせ
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白内障手術
手術日当日手術当日は予定時刻の約1時間前までにご来院ください
当日ご持参いただくもの
- 手術同意書
- 日頃服用されているお薬(持病をお持ちの方)
お食事について
- 手術当日は軽く食事をしてからご来院ください。
- 日頃飲んでいる薬は、手術当日もいつも通り飲んでご来院ください。
手術当日の流れ
- ご来院いただくと、前室で瞳孔を開く薬を点眼したり、血圧測定などを行い全身の状態を確認します。
- 手術の準備が整いましたら手術室に入室していただきます。
点眼麻酔の後、洗眼・消毒薬で目を消毒し、顔を清潔なドレープで覆い、手術を開始します。 - 白内障手術は10分程度の手術となります。
手術の後は、回復室でお休みいただきます。 - しばらくお休みいただいた後はご帰宅いただけます。
術後の注意点
- 術後はご自宅で安静にお過ごしください。
- 手術当日の洗顔、洗髪、入浴、運動(仕事)はお控えください。
- 眼帯は翌日の診察時にスタッフが外しますので、ご自身で外さないようお願いいたします。
- 手術の当日と翌日は、ご自身で車を運転してのご来院はお控えください。
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術後の経過観察
手術の後は手術日翌日、翌々日、1週間後、2週間後、4週間後、2か月後、3か月後といった頻度で術後の経過観察をしていきます。
- 手術の直後は、目がゴロゴロする、涙が出る、充血するなどの症状が出ることがありますが、これらの症状は1週間程度で次第に治まります。
- 洗顔・洗髪は医師の許可が出るまではお控えてください(1週間程度)。
- 術後しばらくは感染症に注意する必要があるので、手術後1週間はメオガード(術後専用の保護メガネ)を装着していただきます。
- 術後3ヶ月間は、手術で起きた炎症を抑えて感染を防ぐための点眼薬を処方いたします。
- 術後1ヶ月程度で目の状態が落ち着いてくれば、必要に応じてメガネ処方を行います。
使用するレンズ
従来の単焦点レンズは1ヶ所にピントが合いますが、その位置から離れると見えにくくなるため眼鏡が必要となります。
多焦点眼内レンズは遠くも近くも両方見えますので、眼鏡の必要性は低くなります。
いずれのレンズもメリット・デメリットがありますので、太宰府吉富眼科では患者様の状態だけでなくお仕事やライフスタイルをお聞きした上で、一人ひとりに適した眼内レンズをお選びいただいています。
単焦点レンズ(保険適用)
メリット
- 見え方の質がよい
- 健康保険が適用
デメリット
- 見え方の質がよい
- 健康保険が適用
多焦点レンズ(選定療養)
メリット
- 遠近、2つの距離にピントがあう
- メガネをかける必要が少ない
デメリット
- 暗いところで見えにくく眩しさを感じやすく、夜間の運転に不向きである
- 選定療養で費用が高い
白内障手術の費用
単焦点眼内レンズ(保険適用)
1割負担(片目) | 約12,800円 |
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2割負担(片目) | 約25,600円 |
3割負担(片目) | 約38,400円 |
生命保険について
生命保険のご加入の方で、契約内容よっては給付金を受け取れる場合があります。
詳しくはご自身のご加入の保険会社にご確認ください。